社用車の管理

こちらでは、社用車の管理業務について解説しています。法律で定められている内容に関連するものであるため、しっかりと把握しておくことが大切です。

社用車管理の業務

社用車の安全を維持するのに必要な業務全般のことを、社用車管理といいます。安全運転管理者がこの業務の担当です。社用車管理業務の内容は、次のように3つに分けることができます。

1.事務的な管理

• 車両運転台帳を作成する
• 車両管理規定の作成および見直しをおこなう
• 自賠責保険・任意保険などに加入する
• 自動車税を納付する
• 整備・点検を定期的に実施する
• 車検を受ける
• 契約を更新する

2.運行の管理

• 社用車の稼働率を把握しておく
• 運行スケジュールを組み立てる

3.運転者の管理

• 運転日報の取りまとめをおこなう
• 社用車を運転する際の使用許可申請を管理する
• 運転士に対して安全運転教育を実施する

管理の目的

社用車管理のおもな目的は、事故発生のリスクをできるだけおさえ、かつ意味のない私的利用を防止することです。

事故リスクの軽減

事故を起こしてしまった場合、その内容によっては、誰かに被害を与えてしまったり、会社が社会的信用を失ったり、あるいはかなりの経済的損失を被ったりする可能性があります。ですから、車両点検・整備・運転者のコンディション確認などにより、事故発生のリスクをできる限りおさえるよう日頃から安全運転管理に努めることが欠かせないのです。

社用車の私的利用防止

無駄な私的利用をなくすことも、社用管理の目的に含まれます。基本的には、運行スケジュールや使用状況を正確に把握することで、無駄な私的利用が起こりづらくなります。私的利用が増えると、その分ガソリン代などのコストがかかりますし、運転時間が長くため、おのずと事故発生のリスクも高まります。ですから、私的利用をなくすことが求められるわけです。

安全運転管理者の義務

社用車管理には、安全運転管理者によって適切におこなわれる車両および運転士の管理が必要不可欠です。ここでは、安全運転管理者の選任について説明していきます。

道路交通法施行規則では、定員11名以上の自動車を所有する事業者あるいはその他の自動車を5台以上所有する事業者は、安全運転管理者を選任する義務があると定めています。所有している車両の台数によっては、副安全運転管理者の追加選任をする必要が生じます。

• 20台～39台を所有している場合：1人を選任する
• 40台～59台を所有している場合：2人を選任する

※それ以降については、20台ごとに1人を選任することが求められます。

参照元：警視庁

安全運転管理者について詳しく見る

社用車での事故は誰の責任か

事故を起こしてしまった運転士だけでなく、運転士が勤務する会社も責任を負う必要が生じるケースがあります。「運行供用者責任」によるものです。運行を支配し利益を得る人も責任を負うべき立場にある、という考え方です。

社用車の事故の責任について詳しく見る

社用車の車検

背景が緑色のナンバープレートが付いている場合は、毎年車検を受ける必要があります。ただし、3ナンバー・5ナンバー・7ナンバーの社有車であれば、自家用乗用車の場合と同様の扱いになります。

社用車を車検に出す時のポイントについて詳しく見る

社用車のアルコールチェック義務化

2023年よりアルコール検知器によるアルコールチェックの義務化が始まると発表されました。そのためアルコール検知器を導入する・業務の見直しを図るなどの対応を早急に行わなければなりません。また会社全体で飲酒運転を撲滅する取り組みも行いましょう。

社用車のアルコールチェック義務化について詳しく見る

社用車と社有車の違い

社用車と社有車。区別するのがややこしいですが、前者は「会社が使っている車両」、そして後者は「会社が所有している車両」のことです。社用車を導入する際には、購入・リースのどちらかを選択することになります。

社用車と社有車の違いについて詳しく見る

社用車の保険

社用車にかける自動車保険は、法人向けと個人向けのふたつがあります。一般的には、社有車の場合には法人向けを選ぶほうが、得られるメリットが大きいです。また、契約方法も3種類あるので、自社に適したものを選択することになります。

社用車の保険について詳しく見る

社用車として電気自動車を導入するメリット

ガソリン車よりもエネルギーコストをおさえて運用することができる電気自動車。経費削減を目指す企業の社用車としても、おすすめしたい車です。ただ、把握しておきたいデメリットもあるので、あらかじめ電気自動車についての知識を深めておくことが大切です。

社用車として電気自動車を導入するメリットについて詳しく見る