企業の会長や社長といった役員が乗る車を運転する役員運転手を手配したい場合に、押さえておきたいポイントを紹介します。どのような企業が運転手選びで失敗しがちなのか、また優れた役員運転手を選ぶポイントなどについてまとめました。
まずは、役員運転手派遣で失敗しがちな企業はどのような特徴があるのか、という点について見ていきましょう。
失敗するパターンとして役員秘書のようにスケジュールを管理する存在がいないケースです。
スケジュールを管理する存在がその企業にいないという場合には、役員運転手がそのスケジュールをしっかりと管理していく必要があります。そのような点も考慮しながら役員運転手を選ぶ必要があります。運転手選びに失敗する企業は、運転手にどのような役割が求められるかを十分に検討せず、結果として適した人材を選んでいない可能性があります。
過去にあまり役員運転手を雇用したことがない企業の場合も失敗をしてしまうことがあるようです。
役員運転手は単に運転してれば良いという存在ではありませんので、適性のある人材を探すのは実は難しいことであるといえるのです。そのため、どう選べば良いか分からず、結果として適正のない人材を採用してしまうというケースがあります。
可能であれば専門会社に依頼することにより、適切な人材を紹介してもらう、という流れが望ましいといえるでしょう。
役員運転手を雇用したものの、失敗したと感じる場合もあります。例えば、下記のようなケースが挙げられます。
まずは、運転技術が不十分である場合です。例えば急ブレーキや急ハンドルが多かったり、車間距離を十分にとっていないなど、運転に危険を感じるというケースがそれにあたります。運転技術が不十分だと事故を起こしてしまうリスクも高いですし、何より役員が安心して車に乗ることができません。
さらに、道がよくわかっていなかったり、想定した時間に目的地にたどり着けないなど、地理的な知識不足や方向感覚が鈍い場合も役員のスケジュール管理を行う上で問題になってくる可能性があります。
役員運転手であることから、役員との相性も重要になってきます。どうしても車の中で時間を共有することが多くなりますので、相性が悪い場合には問題が出てくる場合もあります。もし問題がある場合には、役員の方から運転手を交代できないかという希望が出てくることもあるでしょう。
この部分に関してはなかなか事前は把握できないことから、実際に配置してから役員に様子を確認するしかない、という点が難しいところです。
では、役員運転手選びで失敗しないためにはどうすれば良いのでしょうか。ポイントを8点ご紹介していきます。
まずは過去の勤務経験を確認しましょう。もちろん役員運転手としての経験はチェックしたいところですが、注意したいのが、長年役員運転手を務めてきた人材だから良い、と判断しがちなこと。役員運転手はそれぞれの職場で求められるものが異なりますし、「前の職場ではこういうやり方をしていた」ということでなかなか使い勝手が悪い、というケースが出てくる可能性もあります。
そのため、運転手としての勤務経験はもちろんですが、これまでの仕事に対して真面目に取り組んできたのか、という点などを見極める必要があるといえるでしょう。
また、雇用前にその人の性格を確認しておくことも必要です。役員との相性は実際に勤務してからでないと分からない部分も多いですが、その前に確認しておきたいのが「真面目であるか」「一生懸命取り組む人材か」という点です。 またさまざまな状況に対して冷静に対応できる、という点も役員運転手に求められる要素です。こういった点も踏まえながら性格をチェックしていくと良いでしょう。
挨拶の仕方など、礼儀作法が身についていることは、役員が心地よく移動できるための条件と言えるでしょう。姿勢や言葉遣いなど、基本的な礼儀作法ができるか確認してください。
後述するビジネスマナーも礼儀作法の一種ですが、ビジネスマナーは仕事上のマナーであるのに対し、礼儀作法は人としてのマナーです。人と接する運転手に必須の要素と言えるでしょう。
役員運転手は、役員の仕事相手に接することもあります。役員の仕事相手となれば、取引先の重役のこともあるでしょう。社内だけであれば大きな問題にはなりませんが、取引相手の気分を害してしまえば、今後の仕事に影響するかもしれません。役員運転手のビジネスマナーは確認しましょう。
挨拶や名刺交換、電話対応、簡単な対話など、相手に不愉快な思いをさせず、礼儀正しい対応ができる運転手を選ぶことが大切です。
もちろん、毎日のように接する役員にとっても、運転手にビジネスマナーが欠けていると気分を害してしまうでしょう。
また、ビジネスマナーの中でも特に役員運転手に必要なのは守秘義務の徹底です。車内では極秘の情報を見聞きする機会があるかもしれません。情報の中には、社内でも一部の人しか知らないものも含まれます。たとえ同じ会社の人であっても、車内で見聞きしたことを話すことがないよう、守秘義務に対して徹底した対応ができる運転手を選ばなければいけません。
服装や髪形なども役員運転手に適したものが求められます。役員運転手は、ただ目的地に向かって運転するだけの仕事ではありません。人の目に触れる機会が多いです。役員の側にいる以上、役員運転手の評価は、その役員の評価にもつながる可能性があります。寝ぐせがついた髪で仕事に来るようでは、取引先だけではなく消費者のイメージも悪くなってしまうかもしれません。
ヨレヨレのスーツ、乱れた髪、無精ひげ、汚れた爪など、他社の重役と会ったときに役員が恥ずかしい思いをするような人ではないことを確かめてから役員運転手を選んでください。
役員運転手は細やかな心遣いができることが望ましいです。役員が不便を感じないよう、すぐに手を差し伸べられる注意力と配慮が求められます。
たとえば、「役員が寒そうにしているときは、言われる前に空調を調整する」「雨が降っているときは、降車の際傘をさしかける」「体調が悪そうなときは秘書と連携する」「役員がいつも飲んでいる飲み物を常備しておく」などです。
また、臭いも配慮したいことのひとつ。車の中の臭いは特にストレスになりやすいため、運転手自身が発する臭いに気を付けることも心遣いです。タバコはもちろん、臭いが強い食べ物を避けるという配慮も必要でしょう。
運転を仕事にする人の中には、コミュニケーションが苦手な人も少なくありません。確かに物流の運転手はコミュニケーションが好きではない人に向いている仕事のひとつでしょう。しかし、役員運転手は、コミュニケーションスキルが大切な仕事のため、適切なコミュニケーションスキルが備わっているかはチェックすべきポイントです。
担当する役員が会話をしたいときもあるかもしれません。また、関連会社や取引先の方から話しかけられることもあります。対話する相手は、自分より立場が上の方が多いはず。そんな相手に話しかけられたとき、適切に対応できるスキルが必要です。
重役の中にはフランクに話しかけてくれる人も少なくありません。そんなときにも礼儀正しい対話ができる人を選ぶ必要があります。
心遣いとも同じことですが、かゆいところに手が届くよう事前に準備がある運転手は安心です。役員が必要になったときすぐに対応できるよう、役員運転手が常備しておくものとして以下のようなものがあります。
どれも車の運転には関係がないアイテムです。しかし、役員が車の中で「充電が切れそう」「マスクが汚れた」などに気づいたとき、あると助かります。起こりがちなトラブルに対応できるよう車内に用意している運転手だと安心です。
役員運転手には普通の運転手以上に高いスキルが求められます。スキルとは運転技術だけでなく、ビジネスマナーや守秘義務なども含まれます。
役員運転手は役員を安全に正確に送迎することが求められます。そのために、運転技術の研修、ビジネスマナー、コミュニケーション能力のスキルを身につける研修などが行われるのです。
高いホスピタリティを提供できる役員運転手を目指すためには、さまざまな研修を受け、ビジネススキルを含めた技術を身につけることが大切です。
役員運転手として大切なことは、高い運転技術です。役員が車内で快適に過ごせるよう、安定感のある運転が求められます。運転手は役員のスケジュールに合わせて動かなくてはならないため、安全を確保しながらもスムーズに送迎できるよう最適なルートを確保することも大切です。事故や渋滞といった不測の事態も予測しながら、合理的なルートが提案できるよう教育を受けます。
接客マナーの向上のため、役員運転手の教育にはビジネスマナー研修も取り入れられています。役員運転手の場合、所属する企業の役員のほかにも、外部の役員や上層部と接する機会も増えるでしょう。その際、相手に失礼のないような対応をすることが大切です。
丁寧な言葉遣いや細かな気配りなど、どこで誰に対応しても恥ずかしくない振る舞いを身につけます。
守秘義務に関しても役員運転手は研修を受けます。役員が車内で話した内容や業務中に耳にした会話は、決して外部に漏らしてはいけません。守秘義務を守れる運転手になるために、精密情報の取り扱いについて研修を行います。
どこに同行させても恥ずかしくない役員運転手を育成するために、ビジネスマナーや礼儀も徹底して指導しています。接客能力を高める教育に加えて、運転技術の教育も実施。運転手には徹底的に地理を学ばせて、カーナビよりも頼りになる運転手の育成に力を入れています。
日本テクニカルサービスでは、安心してサービスを利用してもらうために運転手のサポート体制を充実させています。徹底した教育システムを確立し、臨機応変に対応できる運転手の育成を目指しているそうです。また、自動車運転士専門校を受講し、高度な運転技術を身につけ、運転マナーや接客マナーの向上、守秘義務についても徹底的に教育しています。
日本道路興運が行うドライバー研修では、安全・確実に目的地に送迎することと、お客様の守秘義務を守ることといったドライバーの基本を教育します。研修が行われるのは入社時だけでなく、入社後も継続的に実施されます。
国際コスモサービスの運転手は定期研修会に参加し、事故やミスの防止対策を行っています。乗務員のクオリティの高さを維持することはもちろん、アルコールチェックや定期健診などで健康管理も行い、安全な運行を目指しています。
国際ハイヤーでは運転技術や地理知識の習得を指導しています。社内研修施設にて基本教育を実施し、約6週間にわたって指導が行われているそうです。第二種運転免許の取得を目的とした教育ですが、免許の取得有無にかかわらず、すべての運転手が教育を受けます。
守秘義務の徹底教育と運転の安全・リスク管理教育を行っている小田急オートサービス。十分な教育を実施し、快適で安全な運転ができるよう指導しています。コンプライアンス理解の徹底にも力を入れ、お客様の大切な情報が漏洩しないよう教育しています。
1000人以上のドライバーが在籍している（2022年12月16日時点）日本交通では、採用の時点で「接客」「運転技術」「地理」の3つの試験を実地し、厳しくチェックしています。入社後には教育カリキュラムを設け、3か月、1年の節目にも研修を実施しています。
※参照元：日本交通公式サイト（https://nihon-kotsu-hire.jp/features/）
派遣会社に運転手の派遣を依頼する際には、運転手に対する教育内容を確認するとよいでしょう。質の高い運転手を派遣している会社であれば、運転技術の教育やビジネスマナー、守秘義務・コンプライアンス教育などを徹底しているはずです。初めて派遣会社を利用する際は、スポットなどでお試し期間を設けてみるのもよいでしょう。役員運転手選びで失敗しないためにも、しっかり調査し安心して運転手を依頼できる派遣会社を選びましょう。
しっかりした教育制度を前提としたうえで、それぞれ費用・人材・融通でおすすめできる役員運転手サービス3社を紹介しています。
【運転手人材の豊富さ】
で満足度アップ
※2021年9月1日時点
【リーズナブルな料金】
で満足度アップ
※通勤費・食事代・通行、駐車料金等は実費
【雑務対応の柔軟性】
で満足度アップ
※Googleで「役員運転手派遣 東京」と検索し、東京エリアの役員向け運転手派遣サービスを39社調査。運転手の教育制度・利用料金について明記している企業のなかで、「利用料金が最安」「登録運転士数が最多」「運転以外のサービス例が最多」の会社をそれぞれ選定しています。
※登録運転士数：トランスアクトのみ記載有。
※対応できるサービス例：トランスアクトは秘書業務、総務業務、簡単なお買い物の3例。トータルドライバーサービスは簡単な秘書業務、総務業務、英会話対応の3例。
※スポット料金：トランスアクトは38,500円～、ボランチは31,900円～（9h利用・法人の場合。すべて税込）
※掲載されている各情報は2021年9月1日時点のものです。
